論文紹介 ヒラメの大座布団はほとんどメス?! ヒラメの成長速度とキープサイズについて
ヒラメ論文 とりあえず最後です(予定)
今回はヒラメの成長速度及びオスメスの差についてです。
最初読んだときちょっと読み間違いをしていて、思ったほど面白くはない内容でしたので、今回はさらっと紹介!のつもりが結構長くなりました
それと追加で、水産資源に関するニュース(解説)を紹介
全文はこちら
http://www.hyogo-suigi.jp/suisan/seika/kenpo/pdf/kenpo38-2.pdf
目次
実験概要
・兵庫県丹波地域のヒラメについて漁獲し、体長、体重、生殖線重量を確認後、耳石(じせき)を採取
・耳石は耳にある石のようなもので、成長とともに大きくなり、季節の移り変わりにより、成長速度が変わることで木の年輪のような模様となる
・漁獲したヒラメ651匹について、この年輪を調べることで年齢と成長速度の関係を推測した
実験結果/重要な点
・ヒラメの最大寿命は15年程度
・オスメス共に1年で約30cmまで成長
・オスメスどちらも大体2年で半数が産卵に参加するようになる(約40cm) 3年でようやく8割
・2年を超えてくると成長がオスの鈍化し、オスは最大70cm程度までしか見られなかった
・メスは最大90cm程度まで成長する個体が見られ、速い固体では6年くらいで80cm弱に達する
・45cmを超えると8割以上がメス
・ただしオスメスの比率は地域によって若干異なるが、60cm以上はメスが多い
・放流されたヒラメはパンダ(?)になることが知られるが、放流魚の成長が遅い等は確認されなかった
・耳石の年輪で不透明部分(成長が遅い)は2~6月頃に形成される(=産卵にエネルギーを使って、成長が止まる)
まとめと関連?ニュース
ヒラメ論文5回目どうでしたか?
内容的には「ふーん」くらいかもしれません笑
最後にツイッターで流れてきたニュースを紹介させてください
日本近海の漁獲量がどんどん減ってるという記事です。
日本のデータ解析方法の問題等も取り上げられていますが、ここでは割愛。
最後の方に東日本大震災後、福島方面のヒラメ資源量が急激に上昇したという記述があります。
人が採らなくなる(採れなくなる)と増えるってことは、つまり、人が採ればそれだけ資源は減っているってこと(アタリマエ)
この当たり前のことですが、ちゃんと「理解」して、「実践」されている方はどのくらいいるんでしょうか?
「釣りは釣れる数が少ないから大丈夫」というのは「釣り人が少ない」場合は成り立つかもしれませんが、全国で1000万人とも言われる釣り人口がいる中、釣りによる水産資源減少は無視できないんじゃないかと考えられます。
今回の論文ではヒラメは40cm~産卵を行うということでした。
つまり、それ以下のサイズをキャッチしてしまうと、それだけ魚が減るのが加速するということ。
ヒラメのキープサイズは40cmと言われていますが、それがぎりぎり魚が1回産卵するかどうかというサイズになります。
釣りをやめるのが一番いいかもしれませんが、それは無理(笑)なので、うまく付き合っていきたいと思っています。
少しでも水産資源減少を防ぐために、
キープサイズ以下は「優しく」リリース
必要以上に釣らない を徹底していきたいですね。