論文紹介 魚類の日周リズムと自発給餌への展開 ~魚の体内時計と摂餌行動の話~
論文紹介やまとめ等も少しずつ増えてきましたけど、読みたい論文等は加速度的に増えていて全然減らないしのぶです。
今回は魚の食事タイミングのお話
今回の論文はシーバス色選択性の話よりさらに「養殖」って感じの内容になっています
また「総説」なので、文章自体がまとめになっており、全文でも読みやすいです
総説はデータがないので、重要な点を拾っていく読み方が面白いかな?
全文はこちらから
https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan1932/68/3/68_3_305/_pdf/-char/ja
ではまとめていきます!
目次
研究概要
この研究は、「スイッチを押したら餌が出てくる装置について、魚に教えると自発的に食べるようになる」ことを利用し、食事リズム等の魚の生態について解析したという研究のまとめになっています
研究の本題としては、自発的に餌を食べるシステムを構築することで、要職における餌のロスを減らせないか?ということになるんですが、生態について興味深いことが書いてありました。
この論文で重要な点
・魚にも体内時計がある
・日があたったり、温度が変化したりがなくても、体内時計は働く
⇒ただし、日照時間等による影響も無視できない
・ブリや、真鯛、ニジマスやヨーロッパスズキ等で光量変化と同調した食事リズムを確認できている。
⇒しかし、スズキ、ブリ、真鯛等の一部の魚では、昼型と夜型の両方が見られ、同じ個体でも逆転することがある。
スズキに関しては季節により、昼型、夜型が変わる結果も得られている。
・ニジマス等の一部の魚は縄張りを持ち、強い魚がえさ場(スイッチ)を独占する状態が確認された。
⇒ただし、飼育密度が上がると縄張りは消滅し、群れで行動するようになる。(管釣りと渓流では異なるかもしれない)
・魚種によって主に食べる栄養素が異なる上、必要な栄養素を選んで摂取できる可能性もある
⇒ニジマスの場合タンパク質を多く取る
まとめと感想
魚に体内時計があり、光量変化等がない環境でも働くという内容は非常に面白いですね!
つまり、光の変化(マズメ)等が起こらなくてもその時間になると餌を食べるということ。
一般に言われている「マズメ時にはプランクトンの動きが云々」がなくても時間帯により餌を求めると言えるかもしれませんね・・・
ただし、これだけでは「日照やプランクトンの影響がない」とは言えません
むしろ日照時間については影響は大きくあるとの記載もありますね
体内時計のリズムは環境に対応してきた結果生まれてきたとしたら、「プランクトンの動きに合わせた体内リズムが形成された」とも考えられます。
この辺りは推論しかできませんのでここまで。
マズメについては、今後も調べていくつもりです!!
>スズキ、ブリ、真鯛等の一部の魚では、昼型と夜型の両方が見られ、同じ個体でも逆転することがある。
スズキは分かる。
ブリとか真鯛って夜型いるの??
これはめちゃくちゃ気になるポイント。
総論なので詳しく書いてないですね・・・
今度引用論文も探してみます
ニジマス等の縄張りの話
管釣りと渓流では釣れ方違ったりするんでしょうか?
ちょっとやらないので経験者さんがいたら聞いてみたいですね。
とこんなところでしょうか
気になる内容があれば、引用論文を見ていくと詳しく見れるかもしれませんよ!
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